第二審第6分冊
昭和47年6月17日
東京高等裁判所第4刑事部
裁判長判事 井 波 七 郎
東京拘置所
所 長 福 原 弘 夫 殿
押送に関する被告人の希望について(通知)
貴所に拘留中の、当庁昭和39年(う)第861号被告人石川一雄に対する強盗強姦・強盗殺人・死体遺棄・恐喝未遂・窃盗・森林強盗・暴行・傷学・横領被告事件について、被告人の当公判廷における口頭による申立て、および公判廷外における書面による申立てによれば、同被告人は、出廷のための護送車の中または、東京地方裁判所刑事庁舎内のいわゆる仮監と法廷の間の押送の途中における処遇について、大要、次のような希望を持っているものの如くであります。
即ち、同被告人はいわゆる支援団体等の者が、日比谷公園その他に集合していることは知っているが、それらの者の中には過激な者もいると聞いているので、その種団体等の者に対して、挨拶するとか、合図を送ることは従来から意識的に避けている。であるから、偶々それら支援団体等の者が被告人の目に触れるような場合があっても、その程度のことについては拘置所側におかれても、特に之を阻止するような処置をとることなく、自然の成り行きに任せておいて欲しいというのである。
被告人の前記各申立ての趣旨として、当裁判所の理解するところは右のとおりであるので、その旨お知らせします。
以 上
一片の通知よっては何も変わらない。石川さんの「希望」を聞いたとして、それを「お知らせ」して終りなのだろう。ふざけたアリバイ作りでしかない。
7月中旬という第47回三者協議が近い。今日は日曜日だから、明日か明後日にはあるのだろう。
が、今回もまた何の前触れもない。
そして、後触れもないのだろう。
何とも歯痒いが、私にはどうすることもできないのが、一層歯がゆさを増す。