その①「西暦派へのバッシング」
「改元」を機に外務省が西暦表記に統一との方針を打ち出したところ、右からのバッシングにあい、トーンダウンする羽目になった。外交の世界で「元号」が通用するはずはなく、外務省はごく当たり前のことを言っているに過ぎず、今さらという気もする。しかし、「元号派(保守派)」としては、それすらも我慢がならないのだ。
●「朝日新聞」4月2日(朝刊)より
「朝日」が先んじて報じ、翌日に「読売」が修正記事で応じたが、何かしら因縁みたいなものを感じるし、リークの匂いもする。
●読売新聞」4月3日(朝刊)より
いずれにせよ、現政権を構成する者たちの右ネジの強さはハンパではない。いずれ、「元号」など廃れていく代物に違いがないが、そんなものに大騒ぎをするメディアとそれに踊らされる人々の陰では、したたかに政治利用をする者たちの野望が垣間見えるのが不気味だ。
②「天皇制のしたたかさ」
アキヒト氏の「結婚60年」と「即位30年」を祝う音楽会があり、宇崎竜童・阿木燿子が司会をし、由紀さおりらが歌ったという。天皇や皇族がらみとなると、尻尾を振る者たちがほとんどだから、驚くにはあたらないが、ロッカーを自称する宇崎はいただけない。枕詞は返上すべきだろう。
●「読売新聞」4月3日(朝刊)より
誰がどう仕組んだのは知らないが、やはり狡知にたける者がいるんだ。ハードとソフトと両面から身も心もからめとるのが天皇制なのだ。
③オスプレイが豊中の空に
「改元」をめぐる大騒ぎは、マスコミを政府の御用機関と化し、同じような情報がこれでもかと垂れ流され、それに煽られた人々は尋常ではない振る舞いを見せる。21世紀のこの国で、こんなことが起こるとは?!だ。
そのさ中の4月1日、伊丹空港にはあのオスプレイが緊急着陸した。幸い被害はなかったが、異様な音を聞いた人たちはぞっとしたに違いない。沖縄ではこれが日常茶飯事であることにも想いを馳せただろう。
●「朝日新聞」4月2日(朝刊)より
人の命に関わる重大事件が騒ぎのなかで吹きとばされ、何事もなかったかのようにされてしまう。恐ろしいことだ。月末からの「10連休」と「退位」「即位」と続く時間も同じようなことが繰り返されるだろう。流されることなく、これらの行き着く先をしっかり見据えなければと思う。