10月30日、恒例の「市民アピール・デモ」の日。
暮れるのが日に日に早まり、かつ、涼しさを通り越して、冷たい空気が流れる時間。稲荷山公園から轟木公園まで40分かけて歩いた。
再審・無罪の日まで続くデモ行進だ。
迫る勝負の時をみすえ、取り組みを積み上げよう!
1974年10月31日、東京高裁・寺尾正二裁判長は狭山事件の控訴審で「無期懲役」判決を行った。この事件の本質である部落問題に関する弁護側の証人申請を、「部落問題について勉強しているから」と必要性なしとして認めず、弁護団を安心させてまんまと罠にはめた。法廷で山上益郎主任弁護人は「ペテンだ!」と叫んだが、後の祭りだった。
だからこそというか、裁判所は頑なに扉を閉ざし、44年間、一度も事実調べをすることなく、密室での書面審理のみで、棄却決定を連発してきた。そして今、狭山事件は第3次再審は大詰めに近づきつつある。積み上げてきた新証拠は217点に及ぶ。どこから、どう切っても、石川一雄さんの無実は明々白々。もはや寺尾裁判長が行った確定判決は底が抜け、ボロボロになっている。
昨年12月22日に第3次再審8人目の裁判長となった後藤眞理子裁判長が事実調べ(鑑定人尋問や証人調べ)を行うかどうかが分かれ目になるはず。後藤裁判長の定年予定日は、1年8カ月後の2020年6月23日だから、リミットはその前になる。同じく第4刑事部に属している「三鷹事件」の第2次再審が来春にも高裁の判断が出される状況にあり、見逃すわけにはいかない。
6月11日に「袴田事件」で東京高裁は再審取り消しという逆転判決を行ったように、再審に対する司法のガードは固い。これを打ち破るためには、尋常ではない力を集めることが必要だ。この間、毎日新聞(5月18日)、「西日本新聞」(7月19日)に意見広告が出され、10月28日には「朝日新聞(大阪本社版)」にも掲載され、取り組みはいよいよの感を呈してきている。
息切れせずに、この流れを持続させ、さらに大きなものにしていくことが必要だ。私たちも豊中の地から声をあげ、行動を積み上げていきたい。