「袴田事件」の弁護団は、再審開始決定に対する検察の即時抗告について、東京高裁が6月11日に決定を出すことを明らかにした。当初は3月中と言っていたのだが、どういう事情があったのかは知る由もないが、2か月余り時間がかかったことになる。検察の即時抗告は棄却すべきことは言うまでもないが、何が起きるかはわからないのが裁判であり、油断はできない。そして、棄却決定が出ても、恥知らずで傍若無人の検察は最高裁に「特別抗告」する可能性もある。それだけに、完膚なきまでに検察の主張を弾劾し、再審開始決定を不動のものにするような、中身の濃い決定が出ることを期待したい。
もちろん、その帰趨は「狭山」にも連動する。袴田事件の再審確定と無罪判決、そして、狭山事件の再審開始決定、これを是が非でも勝ち取らねばならない。今月中旬に行われる36回目の三者協議~56回目の「5.23」があり、「毎日新聞」への意見広告運動も取り組まれている。これらを大きなうねりにして、東京高裁を追い詰めよう。