●「読売新聞」(8月11日)朝刊より
21年かけてようやく冤罪が晴らされた。マスコミはそれなりに報道はするが、自ら冤罪に加担したことには触れない。上訴権を放棄した検察も「反省」などは一ミリもしていない。裁判所も冤罪の原因を掘り下げることはしなかった。こうしたありようが冤罪が繰り返される大きな要因であることは間違いない。
「証拠開示」も常に言われることだ。刑訴法が改正されて「改善」はされたものの、現実の「冤罪事件」は蚊帳の外に置かれている。それをスルーしたままの議論は、空論ではないか。こうした記事を書くのであれば、現実をしっかり押さえてほしいと思う。
29回目の三者協議が今月下旬に迫っている。植村裁判長になって1年が経過したが、この間、証拠開示は進まず、膠着状態に陥っている。植村裁判長は何を考えているのか?その視線の先にあるものは何なのか?世紀の冤罪「狭山事件」に自ら決着をつける覚悟やいかに?
足利・布川・東電OL・袴田・松橋・東住吉に続くよう、追い込まねば・・・。