第一部に続いて第二部も観た。巷間言われているように、当初の構想では三部作で、それが二部になったことで、丁寧さに欠け、てんこ盛りになったこともあり、一部に比べると出来栄えはイマイチだった。それでも、作品としては十分に見ごたえがあった。
部落差別を助長する「差別映画」だとして、部落解放同盟による上映阻止闘争が行われた経緯があり、この映画を観る機会はほとんどない。部落問題をテーマに据えた映画や文学作品は、数えるほどしかないが、そのうちでもこの映画は、トップレベルの質を持ったものだろう。それが、当時の政治的な状況や路線の対立のなかで、「お蔵入り」同然になったことは、大いなる損失と言える。
二日とも観客は20人余りで、年配の方が多かった。こだわりの名画を上映する映画館であればこそであったが、もう一度、この映画が陽の目を見る日が来ることを望みたい。
映画のあらすじは以下のブログに詳しい。
『シネマ de もんど』 ももじろう2号のブログ
また、灘本さんの以下の論文もいい。
映画「橋のない川」上映阻止は正しかったか?