「開いた口はふさがらない」とはこのことだ。無罪の確かな証拠がありながら、それをチェックせず、弁護人から指摘されても「ない」と言い張り、結局、冤罪に陥れた。大阪地検、大阪高検、最高検、大阪地裁、大阪高裁、最高裁もいずれもがそれに加担した。そして、言う。「証拠収集や供述の吟味は適切だった」(大阪地検)と。なんという恥知らずか!メディアは、この冤罪に関与した検事・裁判官の実名を公表すべきだ。そして、彼らは自発的に自らの出処進退を明らかにすべきだ。
ちなみに、狭山事件の判決と決定に記名した裁判官は32名にのぼる。その多くが既に鬼籍に入っている。人に濡れ衣をきせても、誤判をしても、彼らの身には何も起こらないのだ。こうした司法の在り方を変えるべきだと改めて思う。
●読売新聞(2015年2月28日)より