狭山事件は、第3次再審請求(2006年5月23日)から7年5か月近くになる。この間、2009年9月10日に三者協議が始まり、同年12月16日には「証拠開示勧告」が出され、膨大な未開示証拠の一部がやっと開示されるに至った。2013年7月26日の第14回協議までに開示された証拠は131点になる。しかし、肝心なものについては「不見当」「プライバシーに関わる」として頑なに拒んでいる。ジリジリと検察を追いつめつつあるが、「綱引き」がなお続いており、見通しは定かではない。
一方、同じく再審請求中の「恵庭OL殺人事件」と「大崎事件」では、裁判長の積極的な訴訟指揮によって証拠開示勧告がなされ、事態が動く気配を見せている。また、「名張毒ぶどう酒事件」と「袴田事件」は大詰めを迎えている。
弁護側が追加書面提出=最高検の意見書に反論―名張事件
【時事通信 9月30日(月)21時20分配信】
名張毒ぶどう酒事件で再審請求中の奥西勝死刑囚(87)の弁護団は30日、名古屋市内で記者会見し、第7次請求特別抗告審が続く最高裁に追加の書面を提出したと発表した。毒物の鑑定方法について、最高検が6月に出した意見書に反論する内容となっている。
鈴木泉弁護団長は「議論は尽くした。この書面を最終意見書と位置付けている」と述べた。最高裁が弁護側による特別抗告を棄却すれば第7次請求審は終わり、認められれば再審開始が決まる。
袴田事件で来春にも再審の可否判断か
【産経ニュース 2013.9.13 20:14】
昭和41年に清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑判決が確定した袴田巌死刑囚(77)の第2次再審請求で、弁護団は13日、弁護側と検察側の双方が12月2日に最終意見書を提出することを明らかにした。審理が終結すれば、来春にも静岡地裁が再審の可否を判断する見通し。
静岡地裁で同日開かれた地裁、地検、弁護団の3者協議で最終意見書の提出日のほか、12月16日に弁護団や地検が意見陳述を行うことが決まった。
3者協議では、地裁が地検に対して、犯行着衣とされる「5点の衣類」が発見されたみそタンクに関する捜査報告書など、未開示証拠の開示を勧告。検察側は「勧告の理由を検討した上で適切に対応する」としている。
西嶋勝彦弁護団長は「最終意見書の要点を裁判所に理解してもらい、再審開始決定に結びつけたい」と話した。
両事件ともきちんとした情報発信を行っている。やはり、狭山もこれくらいはあっていい。