人の死は予測できない。ある日、突然に知らせが届く。ゆかりのある人々は、それぞれに想いを馳せ、その死を悼む。悲しみや涙の後には、喪失感が訪れる。人々の交感の時間は、故人への追慕のそれでもある。そして、演劇の幕が降りるように、事態は閉じられ、新しい時間が始まる。
このたび、異国の地・ドイツで領家幸さんが亡くなられたことを、ある人のブログで知った。彼女はピアニストとして、フライブルグを拠点にして独自の奏法を追究してきた。ガンにおかされ、闘病中だった。自らのブログでそのさまを綴っていた。が、5月1日から更新が途絶えており、何かあったのっではと案じていた。それが、かの人のブログによると、5月25日に亡くなったとあった。言葉を失うとはこのことだろう。1ヶ月以上も前なのだ!
日本の関係者にも訃報は届けられたようだが、お互いが知っているものと思って、話題にはならなかったようだ。それにしても、困難な事情があるにせよ、いろんな意味で寂しさを拭いきれない。
幸さん!お疲れ様、ゆっくりお休みください。