今年4月に94歳で亡くなった田端義夫のドキュメンタリー映画を観た。独特のスタイルとその歌は、多くの人々に親しまれ、第二の故郷・大阪(鶴橋)では圧倒的な人気を誇った。
映画はその鶴橋でのライブから始まる。戦前・戦中・戦後を生き抜き、数々のヒットを飛ばし、強烈な個性もあいまって、特異な存在でもあった。
浜村淳、白木みのる、立川談志、千昌夫、寺内タケシ、小室等、内田勘太郎、中川敬、佐高信などが語るバタヤン像は多彩で、魅力的だ。
バタヤンは徹底した大衆的エンタテイナーであったことはもちろんだが、エレキギターを駆使した日本で最初のブルースマンでもあった。その姿は、かのT-BONE WALKERと重なる。
そして、竹内浩三の「骨のうたう」を歌っていたことを知ってびっくりした。静かな反戦平和の闘士でもあったのだ。
骨のうたう
戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため