1月30日の第12回三者協議において、検察官は弁護団が求めていたもののうち、手拭いの捜査に関わる証拠、腕時計の捜索にかかわる報告書、「秘密の暴露」にかかわる捜査報告書など19点を開示した。
弁護団はこれら開示証拠を精査するとともに、2月27日付けで証拠物や手拭い捜査にかかわる捜査書類などの開示勧告申立書を提出した。
3月28日、弁護団がさらに求めた手拭い捜査に関わる証拠開示について、検察官は26点の証拠を開示した。
この間に東京高裁第4刑事部の裁判長が交代し、河合健司裁判長があらたに就任するとともに、4月には陪席裁判官も1名交代し、3名のうち2名が新任となり、5月には新体制のもとではじめての三者協議が予定されている。そして、5月以降は裁判所が何らかの判断を出す時期に入り、ヤマ場を迎える。
足利、布川、東電とあいついだ再審無罪判決の流れを断ち切るかのように、大崎事件や福井事件では不当な再審請求棄却決定が出されたが、証拠開示と鑑定人尋問などの事実調べをおこなうよう世論を喚起し、逆流を阻止していかなければならない。「狭山事件50年」の今こそ、石川一雄さんの無実と冤罪を強く、大きく訴え、再審の扉をこじ開けていかねばならない。
2013年3月21日現在
第4刑事部河合健司,川口政明,小川賢司
陪席の川口裁判官は、福岡高等裁判所判事に異動し、後任として4月1日付で小野裕信裁判官(55期)が赴任した。これで継続は、小川裁判官(46期)だけとなり、3人のうち2人が新任となった。5月に予定されている13回目の三者協議の行方が注目される。