冬季五輪が喧しいが、政治ネタが少しばかり薄れる効果はあるかもしれない。それにしても、メディアによる民主党(小沢)バッシングはひどいものだ。そこには明らかに政治的な意図があり、小沢や民主党のやり方をよしとしない勢力の暗躍がある。与謝野の低劣極まる質問が公共の電波に乗って列島を席巻し、まともに論評の対象になるのだから、この国の行く末は恐ろしくなる。
さて、閑話休題。今年は南アフリカでサッカーのワールドカップが開催される。昨日(14日)、東アジア選手権で日本は韓国に惨敗し、3位に終わった。W杯でベスト8だのと勇ましくのたまうのはいいが、実力はこんなものだと改めて思い知るべきだろう。オリンピックも含め、メダル云々する神経から自由になってもいいのではないか。
その南アフリカでは15年前、ラグビーのワールドカップが行われ、全人種参加の初の選挙によって選ばれた初代大統領ネルソン・マンデラの卓越した指導力によって、下馬評を覆して、南アフリカが優勝の栄冠を勝ち得た。クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマンとマット・デイモン主演による映画「INVICTUS」はその軌跡を追ったものだ。
どんなカタチの政権交代にしろ、そこには怨恨や報復がつきまとう。まして、苛烈極まる人種差別政策による多大な犠牲を強いられた側にとってはなおさらだ。しかし、マンデラは国づくりのためには「和解」が不可欠と自らその範を示し、それを国民にも求める。そして、白人のスポーツであるラグビーを通じて人心を一つにしていく。最初はそっぽを向いていた選手たちも魔法にかかったかのように一つになっていく。見事な人心掌握というべきだろう。そして、劇的なエンディング。
翻ってついこの間、政権交代があったこの国はどうか?政権をとったからといって、前政権の悪事がばらされたという話は一つも聞こえてこない。お金や利権をめぐる汚れた話がいくらもありそうなのに。自民党はそんなにクリーンな政治をやってきたのだろうか?不思議な国だ。