因縁と言っては何だけれど、9月25日の朝日新聞夕刊「ニッポン 人・脈・記」お殿様はいま④「父への反発 当主の闘争」を興味深く読んだことを9月29日のブログで書き、その後、有馬頼寧のことが気になり、「恋と伯爵と大正デモクラシー」という書籍を取り寄せた。著者の山本一生(やまもといっしょう)が有馬日記に隠されていた事実を探り出す労作で、まだ数ページしか読んでいないが、序章でびっくりした。
書き出しは、「ひとりの女性を探していた。名前は『八重ちゃん』といった。大正8年ごろの御殿場の、おそらくハンセン病の病院にいたはずだった。」となっている。そして、これは80年前のことで、それを確認するために著者は広尾にある都立中央図書館で調べるというところから、本書は始まる。
ハンセン病のことがいきなり出てくるのも驚いたが、広尾の都立中央図書館はこの5月に行ったところで記憶に新しい。というのも、5月に日比谷野外音楽堂の狭山市民集会に出かけたときに、調べ物をしようと思ったが、あいにく日比谷図書館が休館期間で、それならと都立中央図書館に出向いたからだ。東京メトロ日比谷線の広尾駅をから8分。道路沿いのカフェや行き交う人は、一見して外国人が多いなあと思ったが、その疑問はすぐに解けた。ドイツ大使館の表示が目に入ったからだ。そして、ぐるっとまわると図書館があったが、帰り道、有栖川記念公園を抜けると近道だったことがわかった。
何と言うことはないけれど、これで本書と私の距離は一気に縮まった。さて、この先が楽しみだ。