「アルジェの闘い」の主舞台はカスバ。カスバと言えば、この歌を思い出す。
「カスバの女」
エト邦枝が1955年(昭和30年)に発表した楽曲(テイチクレコード)
作詞者 大高ひさを
作曲者 久我山明
涙じゃないのよ 浮気な雨に
ちょっぴりこの頬(ほほ) 濡らしただけさ
ここは地の果て アルジェリヤ
どうせカスバの 夜に咲く
酒場の女の うす情け
唄ってあげましょ 女(わたし)でよけりゃ
セイヌのたそがれ 瞼(まぶた)の都
花はマロニエ シャンゼリゼ
赤い風車の 踊り子の
今更(いまさら)かえらぬ 身の上を
貴方も女(わたし)も 買われた命
恋してみたとて 一夜の火花
明日はチュニスか モロッコか
泣いて手をふる うしろ影
外人部隊の 白い服
●以下、ウィキペディアより
韓国人の作詞家・久我山明が、自作の曲を作詞家の大高ひさを邸を訪れて持ち込み、その曲を聴いた大高が「日本の演歌では単なるモノマネになる」と思い、外国(アルジェのカスバ)を舞台にして詩を書いた作品であるという。
当初、芸術プロ製作映画『深夜の女』の主題歌として制作され、レコーディングを終了して発売したものの、肝心の映画が製作中止となり、発売元のテイチクレコードも熱心にキャンペーンすることなく曲は自然消滅の形となり、歌唱したエト邦枝は芸能界を去ることとなった。作詞した大高ひさをによると1766枚しか売れなかったという。その後、1967年(昭和42年)になって緑川アコがカバーして日本クラウンから発売するとこれがヒットとなり、以後は竹腰ひろ子、沢たまき、扇ひろ子らがこぞってカバーして知られるようになる。これを受けて本家本元のエト邦枝も表舞台に復帰して思い出のメロディー(NHK総合テレビジョン、1976年8月7日放送)を始めとする“懐かしのメロディー”番組に出演して本曲を歌唱している。
[逸話]
作詞した大高ひさをは、『カスバの女』を書くにあたって第二次世界大戦前に日本で公開されたジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品で、ジャン・ギャバン主演のフランス映画『望郷』を下敷きにし、自身は「一度もアルジェリアへ行ったことがなかった」と語った。
本楽曲をカバーした主な歌手(五十音順)
青江三奈,扇ひろ子,春日八郎,工藤静香,沢たまき,竹腰ひろ子,藤圭子,緑川アコ,八代亜紀