①2月26日、弁護団は駐車車両の目撃に関する鑑定書、実験報告書、証拠開示勧告申立書を提出(秘密の暴露にあたるとした寺尾判決の有罪の認定がさらに崩れた)。
②三者協議で検察官は、「車の追い越し」「車の駐車の目撃」についての証拠について、「証拠は不見当であり、当初から存在しないかどうかは不明」との意見書を提出。また、弁護団は事件直後に被害者宅周辺の聞き込みをした捜査報告書の開示勧告申立書を提出していたが、これについても検察官は不見当と回答。
③埼玉県警など東京高検以外で作成された証拠物一覧表の開示について、検察官は開示の必要はないと拒否。
④2月12日付けで開示勧告申立書を提出した「万年筆」「財布」「手帳」関係の証拠開示については、検察官は検討するとした。
⑤第28回三者協議は5月下旬におこなわれる予定。
「不見当」「不明」「拒否」「検討」と、検察官の居直りの言葉が象徴するように、協議は検察官のペースで行われた。弁護団がいかに論理を尽そうが、暖簾に腕押し、お手上げ状態に近いと言える。そして、このやりとりをじっと聞いているのが植村裁判長だ。しかし、その発言は報告には一言もない。全く沈黙をしていたわけではないだろう。しかるべきところで、しかるべき言葉を発したはずだ。私たちはそれをこそ知りたい。
検察官の対応・姿勢がかくなるものであろうことはおおよそ察しがついているから驚くにはあたらない。問題は植村裁判長がどのような判断、指示をするのか、そこにあるからだ。弁護団が忖度をして割愛したのか、それともほかに理由があるのかはわからないが、どうにも腑に落ちないことだけは確かだ。何かしら、重大なことが秘められているのでなければいいがと思う。
報告の最後は、「5月24日の東京での市民集会に結集するとともに、各地で学習会や街頭宣伝、署名活動、要請ハガキ運動などの取り組みをすすめ、証拠開示と事実調べをおこなえ!という世論をさらに大きくしていこう!」と檄を飛ばしているが、これではなかなか「その気」になれと言うには無理があるし、世論を興す手立ても尽くさないままでは、それとて空文句になってしまいかねない。
本気で第3次で勝つのであれば、弁護団も中央本本部も従来のありようを踏み越えた姿をこそ、まずは示すべきだろう。旧態然たるままにあって、事が成就するほど事態は甘くはないはずだ。垂範率先こそ必要だと思う次第。