「編集手帳」子の言ってることは「正論」にもとれるが、致命的なのは「他人事」として論じていることだ。読売新聞は、朝日新聞の「誤報」をいかように報じたのか?それを踏まえているのであれば、「編集手帳」子のような書きぶりはできないはずだ。まあ、「読売」にもいろんな記者がいるのだろうが、それにしても説教めいたことを言えた義理ではあるまい。
「卑劣で許しがたい犯罪である」「言論活動への侮辱である」「天誅気取りの脅迫行為」などと、峻烈な言辞で批判しているが、「読売」をはじめとする「反朝日」メディアがそうした言辞を撒き散らかしたのではなかったのか。それに煽られ、「編集手帳」子が「愚行の極み」と断ずる事態が起きたのではないか。
同じ3日の紙面では、以下の記事も掲載されている
いわゆる「専門家」のコメントを借りて、「個人攻撃や脅迫行為は許されない」と書いているが、「編集手帳」子と同様に「他人事」でしかない。いみじくも「編集手帳」子が、〈火吹き竹の根は藪にありは、「物事の本当の原因は別の場所にある」の意味だ、と言っているとおり、事態が何によってもたらされたのか、上っ面をなぞるだけでなく、本当の原因を見つめ、それを書くべきだろう。そして、これは「社説」でこそ書くべきことだ。なぜなら、一連の事態は、ブーメランとなって自らに返ってくるものであるからだ。