狭山事件の現場 弁護団など検証
◇再審請求審理中
狭山市で女子高校生(当時16)が殺害された狭山事件から51年となった1日、無期懲役判決が確定した後も無実を訴えている石川一雄さん(75)=仮釈放中=と弁護団が事件現場を検証した。現在、東京高裁で第3次の再審請求が審理中で、弁護団は報告書を提出するという。
この日は確定判決で認定された「午後7時半ごろ被害者の家に脅迫状を届けた時に止まっている車を見た」との石川さんの供述について、同じ時間帯にほぼ同じ位置から車が見えるかどうかを確かめた。中山武敏・主任弁護人は「当時は雨だったが、今日は晴れでも見えづらかった」とし、この自白や関係者の供述に不審な点が多いと指摘。「今日の検証結果を再審決定への契機にしたい」と話した。石川さんは「裁判官に新たに事実調べをやってもらえれば、無実は明らかだ」と訴えた。
石川さんは1977年、最高裁で上告が棄却され、無期懲役判決が確定した。弁護団によると、第3次請求審ではこれまで、検察側が136点の証拠を開示した。