①この日に先立って、弁護団は25日に殺害方法が自白と一致しないことを明らかにする法医学鑑定書と再審請求補充書、手拭いについての開示勧告申立書を提出した。
②欠番の証拠物については、第14回協議で河合裁判長が検察官に、開示の方向で再検討を促したが、10月11日付で検察官は、開示の必要性はなく、プライバシーに関わるので開示しないとする意見書を提出した。弁護団は17日付で開示勧告申立書を提出し、反論し、開示を求めた。そして、この日の協議の場でも、必要性とプライバシー侵害の可能性はないとして開示を求めたが、今後の協議でプライバシーにも配慮した開示の方向性を検討することになった。
③裁判所は証拠開示を具体的に検討する方向で三者協議を進める姿勢を示している。
④次回は1月末に開かれる。
以上が主な内容だ。
①ついて
17日の記者会見から日を置かず、矢継ぎ早に攻勢に出ているように受け取れるが、ほんとのところはどうなのか、これだけでは正確なところは分からない。もう少し、詳細な説明がほしい。
②ついて
「今後の協議でプライバシーにも配慮した開示の方向性を検討する」となったとのことだが、時期の明示がなく、空手形になるのではないか?プライバシーに配慮するというのは、検察官の主張が容れられたということではないのか?「開示の方向性を検討」というのは、二重の留保条件であり、これでは、「開示の方向で検討を促した」はずの裁判長が、その姿勢を後退させたということになるのではないか?
③ついて
これまでも「検討」はずっとしてきたはずで、問題は、裁判長がその域から少しも前に出ようとしないことだ。協議のための協議を重ね、ポーズだけとる裁判長の煮え切らない姿勢が気になる。
④ついて
年内ではなく、年を越えてしまうこと。それに、1月末までの「宿題」もなく、何が決まるのかも定かではない。時間稼ぎをしているとしか思えない。
さらに気になることは、記者会見までした「手拭い」の問題について、裁判長がどんな反応・態度を示したのか?言及はあったのか、なかったのか?「速報」には全く出てこない。証拠改ざんといえば、村木さんの裁判で大きな問題になったが、それこそ一大事であるはずだから、「黙殺」できるわけはなく、それなりのやりとりがあったはずだ。オフレコ扱いになっているのかもしれないが、肩透かしを食らったみたいで、後味が悪い。
総じて、「速報」を見る限り、第15回協議は単なる「通過点」になってしまったようだ。17日に新証拠提出と記者会見があり、これは!と思っていたから、その意味では残念な結果だ。せっかく17日に記者会見したのだから、本来なら28日もやるべきだろう。いったん、その道に踏み出す決意を固めたのであれば、前に行くしかない。膨らみかけた風船がしぼむようなことをしていては、マスコミや世論を動かすことはできないだろう。