いささか時機を逸した感はありますが、解放同盟中央本部が「新潮」と「文春」に抗議文を出したことが、11月28日の解放新聞で報じられています。この件については、すでに大阪府連が10月31日付で抗議文を出し、11月4日および11日付で両誌からの回答が出ていることは、当ブログで報じたとおりです。ところが、11月17日付の中央本部の抗議文は、そうした経緯を踏まえた内容ではなく、大阪府連のそれを踏襲した内容になっています。
この「事件」は、当初から一府県連の問題ではなく、部落解放同盟および部落問題に関わる人たちすべての問題だとの認識があれば、こんな後手を踏むことはないはずです。相手がだれであれ、部落出身であることを、メディアであれ、いかなる第3者も暴く権利はないこと、それは部落差別そのものであるといった認識があれば、こうした展開にはならなかったと思います。
すでに、差別は拡散され、それは何をもってしても回収は不可能です。事態の後追いにしかならない「抗議」は空しさだけが残ります。