知床半島と根室半島のあいだに位置する、全長約26kmの日本最大の砂の半島(砂嘴《さし》)が野付半島で、整備された木道をネイチャーガイドと共に歩き、『トドワラ』や『ナラワラ』といった立ち枯れの風景に息をのんだ。「殺伐、荒涼、寂寞」などと言い表わさざるを得ないが、それらをはるかに超越し、圧倒されるような迫力を持っている。まさに地の果てに来たような気分になる。そして、この日は見ることができなかったが、ネイチャーセンター前の海の向こうには、国後島があるという。わずか16キロ先ということを知り、近くて遠い島を実感した。