中之島中央公会堂の真向かいに「大阪市立東洋陶磁美術館」がある。住友グループから寄贈された安宅コレクションと呼ばれる東洋陶磁コレクションを核として1982年に設立されたそうだ。陶芸品にことさらに関心や興味があるわけでも、造詣があるわけでもないが、「白磁壺(はくじこ)」を観たくて出かけた。
「高麗美術館のホームページ」によると、「白磁は、15世紀後半に設置された京畿道広州官窯の出現により、その生産を勢いづけ、王室の御器(ぎょき)として上質の白磁が焼成されるようになる。しかし、16~17世紀には度重なる戦禍に見舞われ、陶磁生産は大きく停滞する。その後、18~19世紀には再び白磁の需要が高まりをみせ、生産量の多い時期を迎える。」とあり、ここを訪れたときに、実物に出会った。
光を反射して白く輝くボディ、まん中がふくらんだなだらかな曲線、匂い立つような気品と品格に圧倒され、強いインパクトを刻んだ。それが、中之島にもあるらしいと聞けば、行くしかない。
予想よりも館内は広く、迷路のような展示室を回るだけで、1時間半くらいかかった。特別展も始まったばかりだったが、やはり、お気に入りは「白磁壺」で、どっしりしていて、貫禄十分、ひときわ存在感があった。明くる日は、京都・五条坂の陶器祭りに。道路を挟んで、歩道に延々と店が並ぶ様は圧巻で、一巡するだけで、足が棒になった。いくつか、それらしいものがあったが、破格の値がついており、目の保養だけにとどめることにした。