チラシに「人権センター」がないのはなぜ?
S町3丁目に「Sメゾン」というマンションが建っていますが、新聞折込のチラシの地図は、道路のから北側しかありませんので、豊中の人権まちづくりセンターは当然載りません。だから、これだけでは問題だとは言えません。ほんとに、うまいことつくってるなあと思います。ところが、インターネットでマンションをつくったデべロッパーのホームページを見ると、もっと広い範囲の地図がありました。
人権まちづくりセンターも範囲に入ってきますが、やっぱりセンターは載ってません。拡大した地図を見ると、広範囲のいろんな施設があります。これだけいっぱい載せながら、センターだけ見事に消えているわけです。誰が見ても、センターが載っていないのはおかしい言うと思います。しかし、載ってないのは差別だ!と言えるでしょうか?差別かどうか?これは、何で載ってないのかという事実を確認しないと判断できません。一番、手っ取り早いのは当事者に聞くことですから、デべロッパーに直接聞きました。すると、「チェックもれで、意図はありません」とのことでした。
こうした不動産関係のチラシにセンターがないというのは、昨日今日に始まったことではなく、これまでもいくらもありました。私たちは、これは差別意識に基づくものではないかと思ってきましたが、残念ながら、そういう証言も証拠もありませんから、問題としてとりあげることはしてきませんでした。いわばずっと垂れ流しのままになってるわけです。今回もそうなる可能性がありました。
「チェックもれ」、事実かもしれません。「意図はない」、当たり前でしょう。ここで、ああそうですかと引き下がったらおしまいです。そこで、じゃあ、この地図の元になったデータを見せてほしいと要請しました。広告を請け負ったのは東京に本社がある「Y社」ということなので、今度は「Y社」に聞きました。
さて、どう言ったか?「地図は、担当者が住宅地図を広げて、施設等をリストアップし、手作業で作りました。人権センターがないのは、見落としたと言いようがありません」ということでした。これ、納得できる話かどうかは、それぞれで考えてみてください。
ところが、土地調査差別事件の関係の資料のなかに、このマンション建設地に関するY社の調査報告書がありました。そこには、こんなふうに書かれています。
「不人気地域と隣接しており、地区の不利もあり、阪急T駅・駅近の利便地ながら、難しさのある立地」「計画地街区は、西側にある市内最大の不人気地域と隣接し、不人気地域のエリア拡大と一体化したところにもなっている」「学校区(K小・G中)も市内最下位校にあたり、一般的なファミリーマンションとしては、懸念のある地域性といえる」「高級地のS一丁目も同校区だが、この街区は特化した高級地であり、学校区とは無関係の高級層が狙える可能性がある」
地図にセンターがない、載せない理由は、これで明らかだと思います。こうした差別調査が事前に行われて、地図をつくるときに、センターを消すわけです。「そうじゃないか?」という私たちの推測は当たっていたのです。「チェックもれで、意図はありません」と言うのは、それこそ真っ赤な嘘でした。差別意識に基づく明らかな差別行為です。
「手作業でやったから見落とした」、すごい言い訳を考え付いたものです。どうしたら、住宅地図の真ん中にある「センター」だけを見落とす、なんて芸当ができるのかと思います。