クマゼミの鳴き声も耳をつくが、選挙音も負けず劣らず喧しい。かく言う私も先日、駅頭でビラを配った。宣伝カーで売り込みが激しい「幸福実現党」の人もそばで配る。先の都議選では惨敗したが、衆議院選挙でも小選挙区300名、比例47名の合計347名が立候補を予定しているという。聞けば、お金には困らないと言うから、びっくりだ。
その一方で、各地で大雨による被害が続出し、天候不順が農作物を直撃し、ついに地が震えた。自然は、人間の営みとは無縁にそのエネルギーを爆発させ、命を呑む。自然への畏怖の念を忘れ、エコだ、特典だ、千円ぽっきりだと浮かれる人間へのお灸でもあるかのようだ。
欲望の充足と、安楽・快適・利便を求めることの限界はとっくに過ぎているにもかかわらず、なおも「成長」を求めて止まない私たち人間。行き着く先は、破壊と破滅でしかないことは自明と知りつつ、独り私だけ、わが国だけが抜け駆けできること考える浅ましさ。毒を食らわば何とやら。
選挙で何かが変わることを期待する気にはなれないが、それでも政権交代すれば、今よりは少しくらいはましになるだろうとの淡い希望はなくはない。破局へ向かう時計の針を遅らせることはできるかな、緊急避難としてはいいかなと。